幼馴染「……そう」
男「ちょwwwお前顔ベタベタwww」
幼馴染「……そうね」
男「動くなwwwww拭いてやんよwwwうはwwお前髪サラサラwww」
幼馴染「……触っていいとか……言ってない」
男「キましたよwwwwやんわりな否定wwwいややんわりじゃないってwwww皆までいうなwwwww」
幼馴染「…………」
男「無言の圧力wwwキッツいwwww笑えねえwwww」
幼馴染「……何で敬語?」
男「ノリwwwwwww」
幼馴染「……よく分からない」
男「後これwwwこないだのテストの結果wwww個人情報漏洩っすよwwww先生甘すぎwwww」
幼馴染「……そう」
男「お前全教科一位wwww頭良すぎwwww」
幼馴染「……そう」
男「反応薄いなwww俺とか比べもんにならんwwww」
幼馴染「…………」
男「そういえばwwwこないだの始業式wwwお前途中で帰ったけどwwwあの後校長のヅラ落ちたwwww」
幼馴染「……そう」
男「全校生徒爆笑wwww俺腹よじれるかと思ったwwww」
幼馴染「……今日だったの」
男「お前出席しなさすぎwww引きこもり乙www」
幼馴染「…………」
男「ちょwww否定しろよwww俺が悪いみたいじゃんwwwって実際俺が悪いかwwwww」
幼馴染「…………」
男「俺A組だけどwwwA組優勝wwwほれ見ろトロフィーだwwww」
幼馴染「……何で持ってるの?」
男「そりゃアレだwwwスリwww俺のテクやべぇwwwww」
幼馴染「…………」
男「ちょwww睨むなってwwwちゃんと許可取ったってwwww」
幼馴染「……何でこれを?」
男「お前もA組だろがwww」
幼馴染「……そうね」
男「少しは感動しろよwwww」
男「痛いとこ突かれたでござるwwwwその通り夜は降水確率80%wwwよって笹は室内に避難させるwwww」
幼馴染「……はい」
男「受け取ったwwwつうかおまwwちょww『桜を見たい』とかwww季節考えろwwww」
幼馴染「……季節の問題じゃ……ないわ」
男「表情暗いwww前髪長いwwwいや髪関係ねえなwww」
幼馴染「…………」
男「…………」
幼馴染「……うるさい」
男「へいガールwwwそのテンションの低さは何だwww」
幼馴染「…………」
男「おッwww京都タワーwwww今日はバスで寺見回るぞwww」
幼馴染「……そう」
男「ちゃんとバス内用のUNO持ってきたwwwっておい早足かよwww置いてくなってwwww」
幼馴染「……清水の舞台から落ちても……致率は低い……」
男「マジかwwwやってみようかなwwww」
幼馴染「……危ない」
男「わーってるwwwやるわけねえよwww俺そこまでじゃないwwww」
幼馴染「……そう」
男「一気に関心なくしたwwwやっぱ飛び降りよっかwwww」
幼馴染「……ご自由に」
男「ちょwwwwww」
幼馴染「……そう」
男「この障子ちょっと閉めてwwwこっちも閉めてwww間に入ると背景に松が入るwwww」
幼馴染「……誰が……カメラ使う……の?」
男「カメラマンさんwwwこっちこっちwwwww撮ってくださいよwwww」
幼馴染「……私も……?」
男「たりめーよwwwほらピースピースwww」
幼馴染「…………」
男「ちょwwwダブルピースとかwwwお前実は楽しんでるだろwwww」
幼馴染「…………」ギロッ
男「オイにらむなってwww良いじゃねえかwwwああホント」
男「……良かったぁ」
幼馴染「……何それ?」
男「修学旅行の写真wwwこれお前の分www先生が買ってくれたwwww」
幼馴染「……そう」
男「ヤバイwww何回見ても笑えるwww普通そこはアヘ顔だろwwww」
幼馴染「……あへ、顔?」
男「オウフwww久々のホワイト幼馴染さんですかwwwグッっとくるねwww」
幼馴染「…………」ゲシッ
男「イテテwww別にww普段ブラックとかwww言ってないwwww」
幼馴染「……ッ」ゲシッゲシッ
男「おまwwベッドの上からだからwwwキックが肩とか胸とかにしか当たらんwwwいてぇwwww」
幼馴染「……そう」
男「夏休みwww塾の夏講座に行く予定だからwww来れないかもwww」
幼馴染「……別に」
男「ちょww反応冷たしwwwちょっとは寂しがってもいいじゃんwww」
幼馴染「……理由が……ない」
男「出ましたwww的確な反駁wwww何も返せないwww俺マジ下げぽよwww」
幼馴染「…………」
男「後これwww期末テストの結果wwwお前また全教科一位www」
幼馴染「……そう」
男「やっぱ無反応www格がちげぇwwww」
幼馴染「……あなたは」
男「えwww何て言ったwwww」
幼馴染「……あなたは……どれくらい、の……順位?」
男「それはwwwそれは……それを聞くのはwwwwww野暮だろwwwww言えねえwwwwwつか言わねえwwwww」
幼馴染「…………」
幼馴染「…………」フフン
男「得意げですねwww気持ちよさげにwww金魚虐しやがってwww」
幼馴染「……全部……戻した」
男「たりめーだwww俺の35とwwwお前の56でwww101とかwwww飼えねぇwwwww」
幼馴染「……でも……楽しかった……」
男「やけに素直ですなwww不気味www」
幼馴染「…………」
男「だからwwwにらむなってwwwこえぇぇぇwwww」
幼馴染「……そう」
男「いくぜwww何か欲しいのあるかwww」
幼馴染「……あれ」
男「どれwwww」
幼馴染「……あの、熊のぬいぐるみ」
男「ブフォオwwwwww」
幼馴染「!?」
男「おまwwwイメージがwwwあんなファンシーなのとかwwww」
幼馴染「……ち、ちがっ……あれは…………」
男「あれwww昔俺がやったやつにそっくりwwww」
幼馴染「ッ」
男「ちょwwまwwwおっちゃんこれ返すwwwつかいらんもん乗せんなwwww」
男「後二発wwwていうか幼馴染が着々と遠ざかっていくwwwww」タンタン!!
男「さすが俺www二発でwwしとめたwwwいや計何発だwww俺しょぼwww皆まで言うなwww」
男「そして幼馴染どこwwwそろそろ花火wwwヤバスwwww俺ピンチwwww」
男「どこwwwあいつどこwwwちょwww迷子とかwwww」
男「! いたwww見っけwwww」
幼馴染「…………」
男「ほれwww熊さんぞwwww」
幼馴染「……当てたの」
男「おうwww俺ナメんなwww誰だと思ってやがるwwww」
幼馴染「……そう」
男「あのDVDwwwちゃんと返したからwww興味ないwww」
幼馴染「…………そう」
幼馴染「…………」
男「うはwwwキレイすぎwwwテンション上がってきたwwwww」
幼馴染「……そう」
男「お前と来てwww良かったわwww」
幼馴染「ッ……そう」
男「今後wwwともwwwよろしくwwww」
幼馴染「……そうね」
男「俺www将来花火職人になるwww」
幼馴染「……そう」
男「ちょwwwリアクション薄いwwwショックwwww意外と気にかけられてないwww」
幼馴染「……自惚れ屋さん」
男「コポォwwww」
幼馴染「……そう」
男「今日はwwそれだけじゃないwwwwこれwwww」ピラッ
幼馴染「……これは?」
男「そうですwww進路調査ですwwww」
幼馴染「…………」
男「ちなみに俺wwwすでに記入済みwwwお前の分のwww回収www俺の役割wwww」
幼馴染「……そう」
男「悩めよ少女www俺は即決したったけどwwwww」
幼馴染「…………そう」
男「見るなと言われてたがwww興味に負けてwww記入用紙開いたったwwww」
男「こいつwwwこいつwwww」
男「ねーわwwwマジねーわwwww」
『なし』
男「なんか書けよwww将来wwお先真っ暗wwwあいつニートフラグwww立ったじゃねえかwww」
男「ホントねーわwwwwwwww」
男「…………」
幼馴染「……そう」
男「興味なさげwwwお前ww人生かなり損したwww」
幼馴染「…………」
男「演劇www俺らのクラス三冠wwww最優秀作品賞www最優秀主演賞www最優秀演出賞www」
幼馴染「……そう」
男「賞状ぞwww三枚ともくすねてきたwww間違ったww借りてきたwwww」
幼馴染「……そう」
男「おおwwそうだwwwこれwwwうちのクラスで作ったマフィンwww自信作wwwなんと俺が調理担当wwww」
幼馴染「……前……クッキー焼いてくれた」
男「ハズいwww確かwwシナモン強すぎてwww俺もお前もダメだったwwwイミフwwwwなぜあそこまでシナモンに固執したのかwwwww」
幼馴染「…………」ハグハグ
幼馴染「……そこそこ」
男「手厳しいwwwたまには誉めてくれよwwww」
幼馴染「……そう」
男「リクエストwww無視wwwwのれんに腕押しwwww幼馴染にwww何だwww思いつかんwwww」
幼馴染「…………」
幼馴染「……何」
男「スマホ買ったwwwレグザフォンwww扱いづらさハンパないwww」
幼馴染「……そう」
男「こいつwww水滴に反応しやがるwww風呂場で使えねぇwwww」
幼馴染「……そう」
男「充電の減り方やばかったwww気づいたらwww30%代www」
幼馴染「……そう」
男「つーか2.2まだかよwww早くしろww俺の生活にwww支障が出てるwwww」
幼馴染「…………」
男「興味なしwww平常運転ですねwwwwはいwwwww」
幼馴染「……何」
男「お前wwwケータイ持ってないとかwwwwJK失格だろwwww」
幼馴染「……そうね」
男「iPhoneですwww明らかにwww俺のレグザより高性能wwwいや最近こいつ進化したんだぜwwwタスクキラーうめぇwwww」
幼馴染「……二台目?」
男「ちげぇよwwwこれお前の分www」
幼馴染「……え?」
男「おうよwwwお前のwww受け取れ」
幼馴染「……なん……で」
男「忘れたんかwwwお前ww今日wwお前の誕生日wwwお前の母さん父さん出張wwwツイてねえなwww」
幼馴染「…………」
幼馴染「……そう」
男「そうだwwアド交換すっぞwwwどうせお前俺以外と連絡取らねぇだろwww」
幼馴染「……そうね」
男「ぼっち乙wwwww」
幼馴染「…………」
幼馴染「……そう」
男「俺の野望がwww潰えたwww雪合戦がwwwかまくらがwww雪だるまがwww」
幼馴染「……一人で……やる、つもり……だった?」
男「ちょww逆にねwww俺がぼっちですかwwwまさかの展開wwww」
幼馴染「……むしろ……妥当……」
男「マジかwwつーかお前wwwその服装wwwもっこもこwww室内着じゃねぇwwwww」
幼馴染「……寒いもの」
男「やべぇwwwシベリアの人みてぇwwwお前ウィスキー飲んでんのかwwww」
幼馴染「……ロシアの人を……どう思ってるか……分かった……」
男「いや違いますよwwwただの酔っ払いだなんてwww思ってませんwwwwあれは体温上げるためwwww」
幼馴染「……そうね」
幼馴染「……そろそろね」
男「サンタさんいたぜwwwそこのコンビニwwwケーキ売ってたwww」
幼馴染「……そう」
男「ケンタ買うwwwお前は?www」
幼馴染「……七面鳥」
男「オウフwwwなんというwwww」
男「おうwwwやっとwww出たかwwww」
幼馴染『……何』
男「何ってwwおまwwあれですよwwwクリスマスwww」
幼馴染『……そうね』
男「現在時刻www午前零時wwwちょwwサンタさんwwwお前んトコ来たったwwww」
幼馴染『……?』
男「表wwお前んちのww空き部屋からwww表見てみwwww」
幼馴染『…………』ガサゴソ
男「早くwwww」
幼馴染『……待って』タッタッタッ
男「寒いっすww立ってるだけでwwwツラいwww」
幼馴染『……ッ!』ガラッ!
男「メリークリスマス、お姫様」
男「雪ww降ってるwww」←サンタコス
幼馴染「……な……んで」
男「ウチのクラスwwwヤバいぐらいのwww金持ちいてwww協力してもらってるwww」
幼馴染「…………」
男「上見ろwwwヘリwwあいつの本気www侮ってたwwwやべぇぇぇぇぇwwww」
幼馴染「……そうじゃ、なくて」
男「えっww」
幼馴染「どうして……! どうして、ここまで……してくれるの……!?」ポロポロ
男「…………」
幼馴染「…………」ポロポロ
男「そうだwwwオイwwもう雪いいぞwwwwあんがとさんwww」
幼馴染「……なんで、なんで……」
男「オーイwww今からwwwそっち行くwwww待ってろwww」
幼馴染「……えッ?」
男「とうッwwちょww塀うっすwww立てねぇぇぇぇぇぇwwww」
幼馴染「……え、え……ええ?」
男「まぁ待てやwwwホアッ!www危ねぇwwww玄関の上立ったったwww」
幼馴染「…………」
男「よっとwww着いたwww楽勝wwマリオの-より簡単wwwww」
幼馴染「…………」
男「どうしたww口をあんぐり開けちまってwww」
幼馴染「………………?」
男「やっとしゃべったwwwと思ったらそれかwwwサンタさんにwwwww失礼なwww」
幼馴染「…………」
幼馴染「……これ……近所迷惑じゃ……?」
男「問題wwナッシングwww警察とかご近所さんにはwww許可とったwww」
幼馴染「……アクティブ……ね」
男「プレゼントその2wwwじゃんwwww」
幼馴染「……これ、って?」
男「包装をwww解いてみwwww」
幼馴染「……あ」シュルシュル
男「そうですwwwオルゴールwwwww」
幼馴染「…………」
男「曲はwwパッヘルベルのwwwカノンwwwww」
幼馴染「…………」ギュッ
この世界観に自分が入り込む
感情移入しすぎて自分の事のように思えるから余計泣ける
幼馴染「……そうね」
男「こたつwwあったけぇwwwみかんうめぇwwリオレウスつえぇぇぇぇwwww」
幼馴染「…………」
男「無言で睨まんといてwwwさすがにww大晦日にwww人の家でモンハンはwww失礼だわwwwww」
幼馴染「……そう」
男「何見るwwすでにwwガキ使は予約済みwwww」
幼馴染「……紅白」
男「おうwwおっwwちょうど福山wwwカッケーwwww」
幼馴染「…………」
男「どうしたwww興味ないかww」
幼馴染「……いいえ」
幼馴染「…………」スヤスヤ
男「」
男「……う、う、腕? は?」
幼馴染「……ううんっ……」
男「!」
幼馴染「……おはよう」
男「……おおwwはよっすwww何してんのwww」
幼馴染「……寝てる」ギュッ
男「ちょwwデレきたwwwやったねwww俺大勝利wwwwでwwどうしたのwww」
幼馴染「……寒かった」
男「こたつww無視かよwww」
男「ヤツはwwwまだ寝ているはずwwww」
男「このスイッチwww押すとwwwヤツの部屋のwwwカーテンが開くwwww」
男「そおぃ!wwwww」ポチ、ウィーン
男「後はwww俺が窓を開けてwww侵入www」
男「覚悟しやがれwwwww」
男「……ん?www」
幼馴染「…………」
男「 」
男「 え?」
幼馴染「……もう、いいわ」
男「えっwww」
幼馴染「……もう……無理して、私に構わなくて……いい」
男「ちょww何言ってww全然ww意味分からんwww」
幼馴染「……今まで、ごめんなさい……私のせいで……ずっと……」
男「オイwwオイww勝手にww話進めんなwww」
幼馴染「……もう、手遅れなの……」
男「ちょwwwww」
幼馴染「…………」
男「オイwwオイwおい……おい、何言ってんだよ」
幼馴染「…………」
男「…………」
みててくれ
男(幼馴染は、あいつは、何であんな目にあわなくちゃいけないんだ。何万分の1の奇病だか忘れたけど、何で幼馴染だったんだ。あいつじゃなくてもいいじゃないか。何で、何で……)
ていうかこの写真ヤバくなーい?
ウッソ、あたしの写り超ワルー! ハズっ!
男「……るせぇよ」
ぎゃはは、こっちだとあんた変なトコ見てる!
あーそれ多分ハエ見てた! だってプリん中でうるさかったもん!
だからってこんな角度になるー!?
うっさい! 別にいいじゃんこんなさー
男「うるせぇんだよあんたら!! 黙ってろ!!」ガタッ!!
ッ……ご、ごめんなさい。
男「口閉じてろっ! 二度としゃべんな!!」
な、何あの人。こわッ。
雰囲気ヤバ……なんかジャンキーっぽくない?
男(クソっ、クソっ、畜生ッ……)
男(……なんか、俺、叩かれてる……誰かが、俺の名前を呼んでる……誰だよ……)
男「…………」
??「……男、くん……」
男「……ん、あれ? 幼馴染……? ――!?」
幼馴染「……おはよう」
男「え、え? あれ、ここ病室じゃない……俺の、部屋……!?」
幼馴染「……病室? 何言ってる……の?」
男「あ、ああww悪いwwなんかこんがらがってwwww」
幼馴染「……先に、下行ってる」
男 「おおwww」
オイ男! 昼休み体育館でバスケやろうぜ!
男「よし来たwwwスリーポイントキメてやんよwwww」
球技大会で打ちまくってたもんなー。本物のバスケ部員より活躍とかマジ俺立場ねぇわ(笑)
男「今日はww1on1でもするか?www」
止めろ俺勝てない……
男「落ち込むなってwww他にも人呼ぼうぜwww」
幼馴染「……江岸先生、だったはず」
やっば! あたしえぎっちゃん前の課題も遅れてる!
男「つかww今回も手遅れwwww」
うあー!
幼馴染「……ふふっ」
あははは!
男「プハハハハ!wwwww」
男「………………」
男「オイ、何だよこれ」
男「なあ幼馴染。何でお前、学校に来てるんだ?」
幼馴染「……え?」
男君、どうしたの?
男「オイ、俺の知ってる幼馴染はどうした。なあ、誰だお前。何だお前。どうなってるんだ。何だよこれ」
おいおい、いきなりどうしちまったんだよ。
幼馴染「……男?」
男「何だよ……!? どうなってる!? オイ、何なんだよ!?」
ちょっと、男君大丈夫?
男「うるッせぇ!!」
幼馴染「…………」
男「どこだ、ここ。俺の教室なのか? じゃあ何で……幼馴染が元気に登校して、みんなと喋ってるんだ」
いつものことじゃん。男君、勉強のしすぎなんじゃないの。
お前ちょっとおかしいぞ。大丈夫なのか?
男「俺じゃねぇっ! おかしいのはお前らの方だ! お前ら、幼馴染の顔すら覚えてないはずだろうがっ!!」
男(何も見えない)
男「……違う」
男「違う。ああ、違うとも!」
男「俺が好きなのは……ずっとずっと好きだったのは……」
男「無口で」
男「無愛想で」
男「ノーリアクションで」
男「笑わなくて」
男「チョコ渡しても放置したりして」
男「何考えてるのか分からなくて」
『改めて手紙を書くと緊張します。ほとんど毎日顔を合わせているのに、変なものですね』
男(データが大量に……どれも6秒とかその辺だ)
男(ひょっとして、失敗したデータの消し方分かんなかったのかな)
男(一番上……7秒か)
男(再生)
男「……ははっ、指が震えてら」
男(怖ぇな。何が入ってんだか分かんねえ)
男「でも。これを聞かなきゃ。多分……前に進めない。だから」ピッ
「大好きだ、幼馴染。愛してる」
そして、
確かにその時、
幻聴なんかじゃなく、
俺の耳には聞こえたんだ。
――あいつの、声が。
『……私も……大好き』
終